「職場のルールブック」を導入する場合、大切なことがあります。
<1>管理職対象の講習会を開く
作ったルールブックは大いに活用しましょう。就業規則の「二の舞」にしてはいけません。そのためには、まず、管理職対象の講習会を開くと良いでしょう。講習会でルールブック作成の意味とその解釈をしっかり飲み込んでもらいます。また、ある課では禁止されているのに、別の課では許されている、というようなことがないように、管理職間で意思統一をしておくことも大切です。その後で全従業員対象の説明会を開きます。この順番を間違えると、「課長、これはどう解釈すればいいんですか」「いや、僕もよくわからないんだよ」ということになってしまい、実効性が期待できません。ルールブックはことあるごとに反復することが重要です。朝礼で読み上げるとか、大きな文字で書いて社内に掲示するなど全員で取り組みます。当然、経営者は範を示すことが大切です。率先して実行しましょう。
<2>一度にたくさん作らない
一度にたくさんのルールが作られると窮屈になった感じが強まりますし、第一、覚えきれません。小学校のとき、優れた先生は宿題を少しずつ頻繁に出し、子供たちを上手に勉強させていたと思います。従業員を子供扱いするわけではありませんが、これはどんな人にも当てはまることです。「今年はこの3つ」と絞り込み、ほぼ達成できたら、次の年に追加しましょう。最初にうまく行けば、職場の雰囲気が変わるでしょうし、従業員の自信にもなります。最初が肝心です。
<3>就業規則を補完するもの
ルールブックがいくら徹底されても、トラブルが発生したときに判断や命令、処分などの基準になるのは就業規則です。ルールブックはあくまでも、就業規則を補完するものなのです。ですから、ルールブックと就業規則は常に整合性を保ち、連動していなければなりません。ルールブックを作成する場合は、就業規則の見直しも必要になるでしょう。