「従業員の勤務態度が気になる」「社内にピリッとした雰囲気がない」。こんな困惑の声を上げる経営者が増えているようです。規律の乱れとすれば、今後の社業が心配です。それは経営者にとっても、従業員にとっても、不幸なことでしょう。
原因は何でしょうか。価値観の多様化、雇用形態の複雑化によるコミュニケーション不足、管理職の指導力低下、などいろいろと考えられますが、要は従業員の多くが、何をしなければならないのか、何をしてはならないのか、などの判断がつきにくくなっているのではないでしょうか。
社内の規律の基になるのが就業規則です。常時10人以上の従業員がいる事業所には作成義務がありますし、10人未満の事業所でも最近作成するところが増えていますから、きっと、あなたの事業所にもあることでしょう。ただ、就業規則は法律に準じた厳密な表記が要求されることから、ともすれば分かりにくく、大半の従業員にとっては身近な存在ではないようです。印刷物で受け取っても、引き出しの奥深くにしまったまま、というケースが多いのではないでしょうか。
そこで、最近注目されているのが「職場のルールブック」※です。就業規則を基に職場内のルールを作り、分かりやすく、より具体的に表現したものです。
※ 同種のものはこれまでにもありましたが、体系化と命名は「社会保険労務士法人名南経営」と見られます。同法人は労務管理ツールのひとつとして普及を提唱しています。